事業活動の概要

本財団の事業は、食品科学等に関する研究等の推進を通じて、食生活・食文化の向上、健康の増進及び食品産業の発展に寄与することを目的としています。2023年度の事業規模については「事業計画の概要」を参照願います。

(1) 学術研究助成事業

この事業は、米麦その他の主要食糧等を原料とする食品の生産・加工・流通並びに食品科学に関する研究等を行う研究者及び研究グループに対して研究助成金を交付するものです。
 毎年7月に、日本国内の大学、短期大学、高等専門学校等及び公的研究機関に対して、食品化学、栄養学、食品機能学、食品工学、食品衛生学、調理科学等の研究を行う研究者及び研究グループを対象とする公募の案内と当該機関長の推薦を依頼し、10月下旬に応募を締め切ります。個人研究(助成金100万~250 万円)と共同研究(助成金200万~500万円)に分かれ、学術研究助成選考委員会で選考の上、理事会で助成対象者と助成額が決定されます。(2022年度は個人研究53件助成金総額9,600万円、共同研究8件助成金総額3,400万円でした。)

(2) 学術研究国際交流援助事業

この事業は、米麦その他の主要食糧等を原料とする食品の生産・加工・流通並びに食品科学に関する研究の国際交流の促進のための援助を行います。 前期と後期の2回募集し、飯島藤十郎賞選考委員会で選考の上理事会で決定します。

① 研究者の海外派遣援助

海外で開催される国際会議に自費出席し学術の国際交流に貢献するため、当財団の指定分野に係る食品科学等の研究について特別講演又は研究発表を行おうとする研究者を対象に所属学会の推薦を条件に募集を行い50万円を限度に旅費等を援助します。

② 国際学術会議等開催援助

当財団の指定分野に係る食品科学等の研究に関連する国際会議又は海外からの講師を招聘して開催されるシンポジウム等が日本国内で開催される場合、その経費の一部を援助します。

(3) 外国人留学生研究助成事業

この事業は、在日する外国人留学生の研究環境を改善し、研究内容の向上、充実を通して、食生活の向上、健康の増進及び食品産業の発展に寄与するとともに、助成をうけた留学生が帰国後、行政機関、民間企業、学会等における活動を通じて出身国に貢献されることを期待して実施するものです。
 当財団の指定分野に係る食品科学等の研究を行っているアジア諸国等からの留学生(博士課程後期相当)を対象として、全国の該当研究を行っている大学院研究科の留学生指導教員の申請に基づき飯島藤十郎賞選考委員会で選考の上理事会で決定します。

(4) 飯島藤十郎賞授賞事業

食品科学、特に米麦その他主要食糧を原料とする食品の素材、加工技術、品質、安全性、栄養、機能その他に関する学術上の研究及び食品の技術開発に優れた業績が認められる活躍中の研究者又は研究グループを対象に表彰します。
 飯島藤十郎賞は、飯島藤十郎食品科学賞及び飯島藤十郎食品技術賞からなります。飯島藤十郎食品科学賞は、上記の研究分野に関し、学術上特に優秀な研究業績をあげた研究者に、また、飯島藤十郎食品技術賞は、上記の研究分野に関し、食品の技術開発において優れた業績をあげた研究者又は研究グループに授与されます。
 飯島藤十郎食品科学賞(1件内外)は、賞状、賞牌及び研究奨励金500万円、飯島藤十郎食品技術賞(2件内外)は、賞状、賞牌及び研究奨励金200万円が授与されます。
 食品科学関係学会及び当財団理事・評議員・飯島藤十郎賞選考委員から推薦された候補者について、飯島藤十郎賞選考委員会の議を経て理事会で決定します。

(5) 特定課題研究等助成事業

この事業は、米麦その他の主要食糧等を原料とする食品の生産・加工・ 流通及び食品科学、栄養・健康科学等に関する研究や普及啓発活動等のうち、下記の各分野において早急かつ着実に取組むべき課題を特定し、これを担うのに相応しい研究者、団体等に助成するものです。    
 対象となる課題は、助成対象者と併せて特定課題研究等選考委員会の議を経て理事会で決定されます。

① 食品産業の発展にとって必要な食品科学等の研究

② 高齢者等の課題に対応した国民の食生活向上、健康増進を図るための食品科学等の研究及びその成果の普及啓発活動等

③ 食品科学等の啓発・普及活動等

④ 食文化の向上に寄与する研究、普及啓発活動等

⑤ 食品企業の経営に関連する研究、普及啓発活動等

(6) 研究成果の公表・普及

毎年、助成対象者から研究成果等の報告を受けこれを年報として全国の大学や図書館等に配布しています。また、これら研究の成果発表や著名な食品科学者による特別講演等を内容とする学術講演会を毎秋開催しています。第34回学術講演会(2022年11月)の特別講演は、2021年度飯島藤十郎食品科学賞を受賞された京都大学生存圏研究所の松村康生特任教授と飯島藤十郎食品技術賞を受賞されたカゴメ株式会社東京本社健康事業部の菅沼大行シニアスペシャリストによる受賞記念講演として行われました。
 これらの活動を通して、事業の成果の普及に務めているところです。